第十四番 南林山 蓮花寺

[宗派]真言宗

  聖観世音菩薩(御丈 五寸) 

[所在]川崎市高津区久末1292

     044-777-5611 

[最寄]JR南武線 武蔵新城駅よりバス

由緒

当山本堂は、寛政9年(1797)再建で、本尊十一面観世音、開基は貞観7年(865)寂・常暁法師と伝える。中興開山は永享元年(1429)寂・頼意法印。札所の対象となる観世音は本尊とは別で、『新編武蔵風土記』に伝える「久末村字芋の谷と小貝谷との間なる丘上に三間四方の観音堂あり。本尊聖観世音座像長五寸ばかり。作知れず。蓮花寺持ち」と。この堂が慶応年間に廃堂となり当寺に合祀された。堂の縁起は詳らかでないが、過去帳等によると明暦元年(1655)に寿徳法師が没している。観音霊場が創立された江戸時代にはこの観音堂が庶民信仰を集めたのか、一村一ヶ所の札所に選ばれ、明和元年(1764)に鉦子、同6年(1769)に百万遍連珠および念仏機(数取)等が現存し、当時の観音信仰の厚きほどがうかがえる。

なお現存の三十三ヶ所発願主の納められた額に十四番蓮花寺「詠歌、宝暦十三癸未初秋平村願主平七、蓮花寺」とある。観音堂は風土記に伝えるごとく、蓮花寺持ちであったからとおもわれる。

なお、蓮花寺は玉川八十八ヶ所二十二番、都筑橘樹地蔵尊十五番の札所でもある。

御詠歌

みてをのべ すくふだいひは ひさすゑの

 よろづよまでも たのもしきかな

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